対戦相手のご当地グルメを食べる!仕掛け人インタビュー

2018/09/12 Writer:リセル

次の試合に向けて、「対戦相手を食らう!」と言って対戦クラブがある地域のご当地グルメや、対戦クラブの色に似た食べ物を食べることは、Jサポならやったことのある人は多いはずだ。

実際、私も昨年のJ1残留争いの終盤戦で大宮アルディージャと対戦した時は、ナポリタンを食べオレンジジュースを飲んだ。結果的にヴァンフォーレ甲府は降格してしまったのだが、嫌な思い出にはならなかったし、むしろTwitterのフォロワーさんとみんなで同じものを食べることが出来て楽しかった。

そして今シーズン、甲府サポの美人和尚さん(@beautiful99_vfk)が、「#HOMEグルメで腹ごしらえ大作戦」、「#AWAYグルメ食べちゃうぞ大作戦」という企画をTwitter上で始めた。

試合が開催される県の特産物やご当地グルメを美人和尚さんがツイート。提案された食べ物を食べたら、応援するクラブによって当該ツイートをリツイートまたはいいねを押す。また、食べたものを上記のハッシュタグを付けてツイートする。

この企画を今シーズン開幕から始め、一部の甲府サポが参加するようになった。まだ他クラブのサポーターにまでは広まりきっていないが、「みんなで同じものを食べて結束感を高める」というこの企画は非常に面白いと思う。

そこでこの企画の仕掛け人である美人和尚さんにインタビューをしてみた。美人和尚さんのこの企画への情熱とJリーグ愛、甲府愛があふれるインタビューになったので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

 

◆◆◆

 

――これからインタビューを始めます。どうぞよろしくお願いします。

 

美人和尚 はいっ!よろしくお願いします。

 

――この企画はどういうきっかけで始めましたか?

 

美人和尚 きっかけは昨年の大宮戦です。(バス小瀬新聞編集長の)須田さんがFM甲府さんの放送で大宮ナポリタンを食べて甲府を後押ししようと呼びかけたのが始まりですね。あの時の甲府は残留争いに後がない状況で藁をも掴む思いで何かすることは無いかともがいていたのを覚えています。そんな時、須田さんからのラジオを通じての呼びかけ!早速乗っかりました。その日の晩御飯は大盛りナポリタンでした。

 

――この企画は今シーズンから始まった訳ですが、企画をするにあたり試行錯誤したことや工夫したことがあれば教えてください。

 

美人和尚 AWAYグルメ食べちゃうぞ大作戦だけでもいいんだけど(すでにある○○サポ●●チャレンジとか)、山梨にはたくさんの美味しいものや他サポの皆さんに食べて欲しいものがたくさんあります。改めて山梨の魅力を再発見する意味も込めてHOMEグルメで腹ごしらえ大作戦の開催としました!

 

――なるほど。甲府サポが相手クラブの土地の魅力や食文化を知るだけでなく、相手クラブのサポも山梨の魅力や食文化を知ることが出来るようにしたのですね。対戦を通じてお互いの土地の魅力を知る良いきっかけ作りになりましたね。

 

美人和尚 はいっ!ホームで試合がある時にFC東京サポに小作を占拠されるとか観光地がジャックされるとかがヒントになりました。もっともっと相手サポにも山梨のことを知ってほしいですし、県内の方も山梨の魅力の素晴らしさを再確認してほしいですね。一つの試合でホームサポもアウェイサポも同じものを食べることができたのなら面白いかなってちょっと思いました。

 

――確かに面白いですよね!クラブや地域の垣根を越えて「Jサポ」としての一体感を感じられますね。

 

美人和尚 手応えを感じたのは企画を始める前...。須田さんの呼びかけに反応したのは多分私くらいだったと思ってます。ラジオを聴いてまずウチの奥さんを説得しました。何としても今日の夕飯はナポリタンだと!洋食屋さんで写真を撮って早速ツイート♪まだまだTwitter初心者だったんですけどね。必死に書き込みましたよ。「甲府の勝利」のために。そしたらね、反応してくれたんですよフォロワーさんたちが。「私もナポリタン食べる」「ナポリタンがないのでオレンジ色のもの食べる」って...。土曜日の夜のツイートから翌日曜日の試合までに数は覚えていませんが結構な数の反応があったんです!なんか凄い嬉しかったですね。みんなで同じ想いでご飯食べてるって。みんな甲府のことが心底好きなんだなって。大宮戦の次の試合、仙台戦では何も呼びかけも無しにみんなが牛タン食べ出したりずんだ餅食べ出したりし始めたのがグッときました!

 

――まさに甲府サポの皆さんの「甲府愛」が手応えとなり、その後のやりがいにもなっているんですね。他クラブのサポーターさんからの反応はどうですか?

 

美人和尚 他クラブのサポさんからの反応はハラリハラリですね。甲府と共にこれからです。どんな大きなことも最初の一歩から。ゼロをイチにすることが大切だと思っています。

 

――甲府が強くなっていくようにこの企画ももっともっと広まると良いですよね。企画ツイートをするにあたり、力を入れているところ、こだわりについて教えてください。

 

美人和尚 対戦を両チームが楽しめるように工夫しました。なるべく平等になるように。提示する食べ物はなるべく手に入りやすいものとしました。高級品や旬が外れるメニューはチョイスしませんでした。途中からですが相手チームのスポンサー様にも配慮するようにもしてみました。

 

――なるほど。誰もが楽しく、また参加しやすい環境はこうした工夫から生まれたのですね。企画中に予想外の出来事はありましたか?

 

美人和尚 食べ物の写真を美しく撮るというのは予想外に難しかったですね。みんなやってるから簡単にできるら!と思って始めたらこれが意外と大変…。みなさんほんと上手に美味しそうに撮ってらっしゃることがよく分かりましたね。あと、白い恋人や八ツ橋は簡単に手に入らないことが分かりました。お土産でいただいたら有難く頂戴いたしましょう。

 

――今シーズンも終盤に向かいますが、この企画を振り返ってみていかがですか?

 

美人和尚 まずは大作戦に参加してくださった甲府サポ並びに他サポの皆さんに感謝したいと思います。少なからず山梨県のことと相手チームの事やその土地の名物を知る良い機会になりました。相手チームと対戦するまでの期間、やきもきするだけ。何かできることあったら願掛けでもいいからしてみたいという思いで始まった企画ですが、共に戦う仲間と楽しみながら同じ思いで同じものを食べる。時には現地に駆けつけられなくても思いを馳せながら同じものを食べることで気持ちを届ける。そんなことを考えてリーグで30試合。カップ戦で8試合。やってみました!対戦相手チームも同じ気持ちで楽しめたら素晴らしいですね。相手を尊敬して試合に望む。なんせ相手がいないと試合が成立しないのですから。素晴らしい試合が見たいのです!素晴らしい応援がしたいのです!

 

――それでは最後に今後の展望を教えてください。

 

美人和尚 少しずつですがアウェイサポさんの反応があります。凄く嬉しいことです。でもまだまだ山梨のこと甲府のこと知ってもらいたいですし互いに楽しみながら試合を迎えたいと思います。もともと短期間の予定の企画でしたがいよいよ面白くなってきましたのでこのまましばらく続けようと思います!引き続き大作戦に参加していただいている皆様と賑々しく楽しんでいければと思います。

 

――ありがとうございました!

 

◆◆◆

 

今回インタビューをして、みんなで同じものを食べるという結束感・一体感の素晴らしさと、対戦相手のクラブや地域をリスペクトするというJリーグの素晴らしさを再認識することができた。

対戦相手クラブがある地域の食べ物、相手クラブのスポンサーの食品をみんなで食べることにより、離れた地域の良さを知れたり、自分の地域を良さを改めて認識できる。

「対戦相手を食べる!」というのは自己満足かもしれない。しかし、それによって次の試合への士気を高めたり、地域の新たな発見ができるのは決して悪いことではないはず。敵対心むき出しで戦うことだけがJリーグではない、ということだ。

ぜひヴァンフォーレ甲府と対戦することがあったら、この企画に参加していただきたい。そして、もし出来うるならば甲府以外のクラブとの対戦でもこのハッシュタグをぜひとも活用していただけると嬉しい。

 

#HOMEグルメで腹ごしらえ大作戦

#AWAYグルメ食べちゃうぞ大作戦

美人和尚さんTwitterアカウント:@beautiful99_vfk

Writer:リセル

ヴァンフォーレ甲府とミサンガ作りと文章を書くことが好きな自由人。「Jサポライター部」、Jリーグのハンドメイド作品が集まるサイト「Jサポハンドメイド部」、両サイトの管理人をやっています。まだまだJサポ歴が浅いので、Jリーグのことをもっと知りたいです。