ヴァンフォーレ甲府、前半戦から見た選手紹介

2020/09/26 Writer:シュンスケ

皆さんはサッカー専門誌を読んだことはあるだろうか。日本ではエル・ゴラッソやサッカーダイジェストが有名だが、海外にも様々なサッカー専門誌が存在する。そしてその中でもほとんどのサッカー専門誌は、各国のリーグ戦で毎試合のように選手に評価点を付ける企画がある。これは、有名なサッカーゲーム、ウイニングイレブンシリーズやFIFAシリーズにもある機能である。

 

コロナ禍により自宅での時間が増えた今、ヴァンフォーレ甲府のサポーターである私も、ヴァンフォーレ甲府のリーグ戦は毎試合選手に評価点を付けて、まとめている。どうしてもサポーターという目線での評価になってはしまうが、今回はJ2リーグ第21節(前半戦)までの平均評価点と、出場選手のプレイスタイルなどの紹介をしていきたいと思う。ちなみに評価点は、最低点が0で、最高点が10、0、0.5、1、1.5... のように0.5ずつの段階に分けて付けた。イメージとしては及第点が6.0で、6.5がいいプレーが少し先行した時、5.5が悪いプレーが少し先行した時、というような感覚でいて欲しい。また、その試合で出場時間が10分に満たない選手には評価点は付けないこととした。

 

※例:

背番号 . 選手名 - 先発出場/途中出場 - 平均評価点(小数点第二位以下切捨て)

紹介文

 

 

●ゴールキーパー

 

1.河田晃兵-2/0-7.0

ストッパー型ゴールキーパー。第2節の途中で怪我をしてしまって長期離脱を余儀なくされたが、これまでのシーズン、彼の反応速度とファインセーブにどれほど助けられたか。

 

31.岡西宏祐-19/1-7.0

バランス型ゴールキーパー。正GKの河田選手の離脱により、これまで正GKに君臨している。派手なセーブよりも、堅実なプレーが多い印象。セーブ、フィード、パス、クロスの処理など、全てにおいて安定していて、弱点がない。

 

 

●ディフェンダー

 

2.藤田優人-11/3-6.7

いぶし銀サイドバック。その名の通り、派手さはないが重要な仕事をこなしてくれる。1vs1のディフェンスの上手さや、状況判断によるプレーの選択が魅力。何よりチーム最多のアシスト数4は、全てがコーナーキックから。そのキック精度なだけに、流れの中からのクロスももっともっと見てみたい。

 

3.小柳達司-14/1-7.1

職人ディフェンダー。空中戦、1vs1のディフェンス、カバーリングなど、ディフェンス能力だけを見ればJ2トップクラスといえるほどの印象。今シーズンの甲府では3バックの右を務めることがほとんどで、時に攻撃参加をして攻撃に厚みを持たせるプレーも得意。

 

4.山本英臣-8/6-7.0

舵取りディフェンダー。甲府の象徴でもある山本選手。主戦場はセンターバックの真ん中ではあるが、ボランチを主戦場とするシーズンと、サイドバックを主戦場とするシーズンがあっただけに、攻撃力も魅力で、まさにリベロ。インターセプト、カバーリング、そして何よりロングフィードがピカイチ。時たま出るミドルシュートはワクワクさせられるし、狙い済ましたシュートも上手い。

 

5.今津佑太-18/1-7.0

鉄壁のディフェンダー。とにかく前に強いディフェンダーで、空中戦の勝率と当たり負けしない屈強なフィジカルが印象的な地元山梨県出身の選手。今シーズンはそんなストロングポイントに加え、ビルドアップでのパスで時折鋭い縦パスや、ロングフィードで攻撃にアクセントを加えるプレーも増えてきた。21試合中19試合も出場していることから、伊藤監督の信頼は厚いことがうかがえる。

 

20.中塩大貴-10/0-6.7

攻撃的センターバック。昨シーズンまで絶対的な選手だったエデルリマ選手の、ボールを自ら運んでオーバーラップする攻撃力とは違い、鋭い縦パスやロングフィードで一気に攻撃のスイッチを入れれるのが特徴。ディフェンス能力も決して低くなく、空中戦も強く、1vs1のディフェンスも上手いが、特にカバーリング能力に長けている印象。試合をこなすごとに成長している。

 

36.関口正大-2/0-7.0

積極果敢なサイドバック。2試合しか観ていないので細かなことは言えないが、攻撃が得意なサイドバックだということは分かった。ドリブルでの仕掛けはもちろん、パスが上手い印象で、琉球戦ではアシストも記録している。

 

39.内田健太-15/0-7.0

精密クロッサー。左足から繰り出される鋭いクロスは、J2でもトップクラス。だが意外と、前半戦でこのクロスから直接得点が産まれたのが21節の磐田戦のみ。しかしそれは、甲府の戦い方的に、今シーズンの内田選手はインバーテッドで中でプレーする時間が多いので、クロスをあげる機会が昨シーズンより多くないから。また、そのキック精度からのフリーキックも魅力。

 

 

●ミッドフィルダー

 

6.野澤英之-11/2-6.8

オールラウンダー。野澤選手自身は攻撃が好きだと言っていたそうだが、これまでの戦い方を見ると、ディフェンス能力も高い印象を受ける。特にプレスをかけるタイミングに優れている印象を受けるが、本人はやはり攻撃でチームに貢献したいのかもしれない。だがやはり、時折見せる裏へのパスやミドルシュートはゴールを匂わせる精度がある。

 

7.中山陸-3/2-6.5

ジーニアス。まさに天才肌な選手。トラップ、ドリブル、パスと、足元を使うプレーに優れている選手。ただ、若さゆえの状況判断や、フィジカルなどはまだまだプロレベルにはないのかもしれない。しかし、試合数を重ねる毎に落ち着いたプレーが見え始めているため、後半戦は天才らしいアシストやゴールに期待。

 

8.新井涼平-13/3-6.9

積極的センターバック。全てにおいて積極的で、ラインコントロールで積極的にラインを上げさせたり、積極的にボールを奪いに行ったり、積極的にミドルシュートを打ったり、その積極性が魅力。昨シーズンまではその積極性ゆえにミスが多かったが、今シーズンはミスも減り、頼れる選手に成長した。

 

11.泉澤仁-15/2-7.0

繊細ドリブラー。足に吸い付くような細かなタッチと、状態フェイントを駆使したドリブルはJ2屈指。右利きなのだが、左サイドからドリブルで切り込んでシュートを打つスタイルではなく、縦にドリブルを仕掛け、相手をワンフェイク、ツーフェイクで剥がしてからのクロスで多くのチャンスを演出する。更に逆足の左足からのクロスも精度が高い。

 

14.武田将平-13/4-7.1

神出鬼没のボランチ。基本的には攻撃が得意な選手なのだが、野澤選手同様、ディフェンス能力にも長けている。運動量も豊富で、攻撃も守備も重要な場面にはほとんど武田選手が顔を出し、チームを助ける。相手ディフェンダーを切り裂くパスも魅力で、幾度となくチャンスを演出。空中戦も強い。

 

15.中村亮太朗-9/4-6.9

攻撃的ボランチ。パスでのチャンスメイクと、相手のペナルティエリア内に侵入するプレーが多い。そのプレイスタイルから、出場した13試合で2ゴール2アシストを記録している。また、空中戦も得意とし、ヘディングでのゴールはもちろん、相手のロングフィードを跳ね返すプレーも多い。守備についても、激しいチェックとタックルでチームを救うこともしばしば。

 

21.荒木翔-6/4-6.4

全力サイドバック。攻撃も守備も常に全力プレーが伝わってくる選手。166cmと、身長は低いが、重心の低いドリブルと、当たり負けしない1vs1のディフェンスが特徴。攻撃時には積極的に仕掛ける姿勢も印象的。更には、ロングスローにも磨きをかけ、敵陣の深い位置からのロングスローは、チームの攻撃にアクセントを加えてくれる。

 

24.山田陸-8/4-6.7

テクニカルボランチ。攻撃に重心が向いたボランチで、甲府のボランチの中では足元の技術が1番上手い印象。ボールを持つと、ほとんどの確率で相手のプレスを剥がし、その後のプレーに繋げる。ディフェンスに関しては、能力は高いとは言い難いが、プレスを怠らず、相手の攻撃を遅らせる。

 

27.小林岩魚-3/0-7.0

無尽蔵サイドバック。甲府の中で最もスタミナがある選手で、右サイドでの激しい上下動でチームに貢献。更にはスピードもあり、敵陣深い位置にスピードをもって侵入したり、攻撃参加からのプレスバックでのディフェンスも魅力。攻撃時には右サイドバックなのに左利きという特徴で、切り込んでのシュートやクロスからもチャンスを演出する、ユース出身の選手。

 

35.長谷川元希-1/1-6.7

シャドウドリブラー。出場した2試合で、得意のドリブルから多くのチャンスを演出し、スピードに乗ったドリブルは魅力的。更にはパス精度、クロス精度も決して低くはなく、コーナーキックからのアシストも記録している。

 

 

●フォワード

 

9.ラファエル-6/4-6.6

ポストマン。190cmの長身を活かしたポストプレーとヘディングシュートが魅力。ただ、37歳という年齢で、大宮時代のエリア内でのフィニッシャーとしてのプレーや、ギラギラとしたプレーは減った印象。その分経験値は溜まり、状況判断に優れ、今自分が何をすべきか、無理のない範囲で正解に近いプレーをしてくれる。

 

10ドゥドゥ-7/4-7.1

ドリブルフィニッシャー。このチームにおいての絶対的エース。ボールを持って前を向いた時のドリブルは、J2屈指。止められる時はほとんどの確率でファウルをもらう。そして決定力も高く、エリア内外から放たれるシュートは期待感を持たざるを得ないほど。また、ブラジル人フォワードにありがちなエゴイストではなく、献身的な守備で幾度となくチームを救った。だがその献身さゆえに、無理なプレーが多く、怪我をしてしまうことが目立った。

 

16.松田力-13/4-6.7

虎視眈々の諦めないフォワード。前半戦の甲府においては、ストライカーという役割ではなかったが、幾度となく相手ディフェンスの裏を狙う動きを繰り返す。カウンター時には全力で最前線まであがり、チームがボールを奪われた際には、全力で守備に戻る。全てにおいて一切サボらない選手。直接的な活躍はそう多くないが、縁の下の力持ち的な、見えないところでの貢献度は計り知れない。

 

17.金園英学-1/9-7.0

泥臭い空中戦の覇者。空中戦の勝率は相当高いものがあり、ただ競り勝つだけでなく、しっかりと味方選手にボールを落とせる選手。楔になり、足元でのポストプレーも上手いが、裏を狙うタイミングも上手い。そして何としてでもゴールをする、という姿勢がプレーに現れていて、泥臭いゴールが多いのも印象。

 

18.太田修介-9/8-6.8

裏狙いのスピードスター。プレーに少し波がある印象だが、前半戦では5ゴールと、チームで最も多くのゴールを奪った。常に相手ディフェンスの裏を狙い、飛び出し、強引にシュートまで持っていくのを得意とする印象。更に、試合数を重ねる毎に、相手を背負ったプレーや、周りを使うプレーにも磨きがかかり、プレーの幅が広がっているユース出身の選手。

 

19.宮崎純真-1/6-6.5

縦突破のスピードスター。ボールを持つと、まず初めに仕掛ける姿勢見せてくれる。スピードのあるドリブルで縦突破を計り、チャンスを演出する。もう少し周りが見えるようになるとよいのだが、それでも宮崎選手の積極的に仕掛ける姿勢は、相手ディフェンダーにとっては嫌だろう。

 

29.ジュニオールバホス-7/1-7.0

スピードストライカー。怪我で長期離脱を余儀なくされるまでは、8試合で4ゴール1アシストと、2試合に1回は結果を残している。そのスピードはJ2屈指で、前を向くいたときのワクワク感はすごい。そしてこの前半戦では、周りをシンプルに使うことも覚え、パスワークから崩すシーンも増えた。ただ、自分の思い通りに行かないと、チームメイトにも腹を立て、メンタルを崩してしまうのが玉に瑕。

 

44.ハーフナーマイク-5/6-6.4

空中戦の王者。194cmという長身は、J2でもトップクラスで、相手ディフェンダーとイーブンのボールであれば、ロングボールは大体競り勝って見せる。そして、決定力もあり、足元でもボールを収め、時間を作ってくれる選手だったのだが、この前半戦ではミスが多く、中々思い通りのプレーは出来なかった。後半戦では、日本代表に選ばれた時のようなプレーを見せてくれると信じている。

 

 

最後に、私の運営する“チョビつキ〜ズ”というYouTubeチャンネルで、毎試合終了後に生配信での選手評価か、翌日の動画アップでの選手評価を行っているので、ぜひ見に来て頂きたい。

Writer:シュンスケ

脊髄性筋萎縮症という難病と付き合いながら、地元での福祉講話活動、お笑い活動、ピアカウンセラー活動をしながら、Youtubeでチョビつキ〜ズとして動画投稿をしてます!【趣味】ゲーム/サッカー観戦/イラスト/動画編集/作詞。サッカーチームでは、ヴァンフォーレ甲府、クリスタルパレス、ラツィオが特に好きです!