上野監督に変わって内容も結果も変わらないのならば。

2018/05/06 Writer:シュンスケ

吉田前監督が退任し、上野監督が就任したヴァンフォーレ甲府。上野監督は就任して3日後にJ2リーグでの公式戦を迎えたわけだが、結果は1-1で引き分け。内容を簡単に説明すると、先制した甲府だったが試合時間残り数分のところでセットプレーから失点をし、吉田前監督での最後の試合となった千葉戦と、同じ勝ち点のこぼし方をした。

この結果に多くの甲府サポーターは、「監督を変えても内容結果共に同じでは意味が無い」だとか、「それならば吉田監督で戦い続けるべきではなかったのか」だとか、かなり悲観的な意見を述べていた。それに対し、「監督を変えてすぐに結果が出るわけがない」だとか、「監督を変えてすぐに結果が出るならどこもやっている」だとか、反論も出てきている。今回はこの“シーズン中の監督交代”についての持論を書こうと思う。

シーズン中に監督を交代する理由は、ほとんどが成績不振。今回の甲府もその理由で、甲府に関しては交代後すぐに結果には表れなかったが、世界には交代後、翌日だろうとすぐに結果を出し、チームを立て直したという事例もある。

ではなぜ甲府はすぐに結果を出せなかったのか。その理由として考えられるのは、“今の甲府の戦い方が完成に近いこと”ではないだろうか。まずは、交代後の翌日だろうと結果を出すパターンで考えられるのは、“今までの戦い方を変える”こと。例えば、今までショートパスを繋ぐサッカーで結果が付いて来なかったチームを、新しく就任した監督は「とにかく縦に急ぐサッカーをしよう」と、一言選手に伝えただけで、それが見事に噛み合って結果を出す。ということ。しかし甲府の場合、吉田前監督が築き上げて来たサッカーが、100の完成に近いが故に、上野監督はそのサッカーにどのようなエッセンスを加えて100にするか、を考えているのではないだろうか。

ここで“道”に見立てて例えてみようと思う。甲府が吉田前監督と歩んで来た道は、100であるゴール直前で大きな壁に直面してしまった。その壁を必死によじ登ろうとしているが、あと1歩のところで超えられずにいた。新しく就任した上野監督は、その壁の登り方を少し変えて見ようとしているのだろう。しかし、選択肢はそれだけではなく、甲府が吉田前監督と共に歩んで来た道を少し、80のところまで引き返し、壁のない道を選んでまた歩み始める。という選択肢もあるのだ。この選択肢は、先程も書いたように“戦い方を変える”というもの。

こうしてみると上野監督の考えは、吉田前監督が築き上げて来た甲府のサッカーが、100に近いが故の難しさがあるのだと思う。更に言ってしまえば甲府の目標は今シーズンJ1昇格。この状況もあり、道を少し引き返してまた新たな道を歩み始めるよりも、もう少しで登れそうな壁の登り方を少し変えてみる、という選択の方が正しいのだと思う。

まあとにかく、総じて言いたいことは、悲観的にならないで欲しいということ。どんなに苦しい状況でも、どんなにネガティブな状況でも、その苦しくネガティブな状況の中から、悲観的なことを探すのは誰にでも出来ること。その状況の中から微かな光を見つけ出して、ポジティブな考えを持って欲しいものです。

Writer:シュンスケ

脊髄性筋萎縮症という難病と付き合いながら、地元での福祉講話活動、お笑い活動、ピアカウンセラー活動をしながら、Youtubeでチョビつキ〜ズとして動画投稿をしてます!【趣味】ゲーム/サッカー観戦/イラスト/動画編集/作詞。サッカーチームでは、ヴァンフォーレ甲府、ストークシティ、ラツィオが特に好きです!