週刊ストーブラジオ 最終回

2021/02/25 Writer:リセル

 始まりました「週刊ストーブラジオ」。

 こんばんは、Jサポライター部管理人でヴァンフォーレ甲府サポーターのリセルです。

 この連載コラムは、例年以上に厳しい冷え込みが予想されるストーブリーグを、Jサポの皆さんが少しでも楽しく温かい気持ちで乗り越えられるよう、ラジオ風味でお届けしていくコラムです。シーズン中なら試合があるであろう週末、毎週日曜日にこの「Jサポライター部」のサイト上に掲載しています。

 今回「週刊ストーブラジオ」は最終回となります。極寒のストーブリーグから始まり、新加入選手や退団選手に一喜一憂したり、新チームへの期待に胸を膨らませたりして、ついに明日2021年のリーグ戦開幕の日を迎えます。「週刊ストーブラジオ」では、そんなオフシーズンのちょっとした楽しみになればと思い、コラムをお送りしてきました。毎週欠かさず更新とはなりませんでしたが、ゲストとして出てくださった方がいらっしゃったり、感想や宣伝をしてくださる方もいて、私としてはとても楽しいオフシーズンとなりました。このコラムを読んでくださった皆様も少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。

 

 さて、通常版として設置していたコーナー「今週の『週末暇なのでやってみた』」ですが、いよいよ週末暇ではなくなります。そのため最終回はちょっと違ったことをやってみます。題して、

 

◆サッカー知識があってもなくてもサッカー観戦が今までよりちょっぴり楽しくなるサッカーの見方

 ……長い!

 さて、明日リーグ戦がいよいよ始まりますが、今シーズンをより楽しむために「視点を変える」ということをやってみます。

 具体的に何をするかというと、以下の3つの視点からサッカーを見ます。

 

①ポジティブに見る

②選手のキャラクター性を見る

③サッカーの試合以外を見る

 

 ちょっと抽象的でわかりにくいと思うので、1つずつ解説していきます。

 

①ポジティブに見る

 サッカーはミスのスポーツと言われています。相手がミスをすることもあれば、当然味方がミスをすることもあります。

 そんな時「何やってんだよ……」と思うことも正直ありますよね。でもフラストレーションばかり溜めていては何も面白くありません。「選手達が頑張ってサポーターを楽しませろ!」という声が聞こえてきそうですが、常勝軍団でもない限り毎回楽しめる試合をするのは無理な話です。常勝軍団と名高い鹿島アントラーズだって負けることはあります。

 基本的に試合でフラストレーションを溜めがちな人は「点を取る」「勝つ」ということにしか注目していない感じがします。なので、点につながらなくても良いプレーをした時は、拍手を送ったり「ナイス!」と(心の中で)叫んだりするなどして、ポジティブシンキングをしましょう。シュートを外しても「シュートの意識大切! 次は入るよ!」と思えるようになると、不思議と次はシュートが決まる気がしてきます。

 この考え方は私自身、昨シーズンに実践しました。7試合勝利から見放されていたシーズン中盤、5試合で3得点、わずか1勝だった最終盤。「点を取る」「勝つ」ということしか求めていなかったら、全く楽しめなかったであろう期間です。しかし、せっかく趣味として楽しむために見に来ているのだから、楽しまないともったいないと思いました。そして無理矢理にでもポジティブ思考で見たら、選手の良い面に気づくことができ、点が取れず試合終了が迫ってきても絶望感はそれほどありませんでした。さらに点を取った時の嬉しさが何倍にもなりました。

 私は基本的にネガティブ思考の人間ですが、「無理矢理にでも」ポジティブな見方に変えることで、フラストレーションを軽減したり、楽しみを増やしたりすることができました。ぜひ試してみてください。

 

②選手のキャラクター性を見る

 選手はプレースタイルにそれぞれ個性が光りますが、選手の性格にも個性が出ます。去年の甲府で言えば、お茶目でお調子者の今津佑太選手(現・サンフレッチェ広島)、クールな武田将平選手(現・京都サンガ)、ほんわかとした雰囲気を醸す泉澤仁選手などなど。

 そして、これらのイメージはオフザピッチのもので、オンザピッチになるとイメージがガラリと変わります。お茶目な今津佑太選手はとにかく熱く、ロングボールを跳ね返す時は「でぇぇぇぇぇい!!!」と叫びますし、クールな武田将平選手は運動量が豊富で分身したのかと思うくらいどこにでも居て、仲間のゴールを熱く喜びます。泉澤仁選手はほんわかとした雰囲気から一変し、ボールを持つと果敢にドリブルを仕掛けて相手を翻弄します。

 このように、試合中と試合以外でのギャップを見ることもサッカーの楽しさのひとつだと思います。

 話は飛びますが、ライトノベル(キャラクター小説)の魅力的な登場人物を作るための技法に「ギャップを作る」というものがあります。「普段は温厚でほんわかとしているのに、試合中はひとたびボールを持つと果敢なドリブルを仕掛ける天才的ドリブラー」といった具合です。「ギャップ萌え」という言葉があるように、人は対象にギャップがあると魅力を感じやすくなるのです。

 「選手はキャラクターじゃなくて人間だ!」と言われそうですが、選手のキャラクター性は誰しもが少なからず意識しているものだと思います。もちろんプレーや人間性が一番大切ですが、「キャラクター性」という視点を持っていると、また違った形でサッカーを楽しめますよ。

 

③サッカーの試合以外を見る

 これには2つの意味があります。まず、サッカー以外の試合を見ること。たとえば野球やバスケなど他競技の試合を見ることです。

 私は以前、地元の女子バスケットボールチーム「山梨クィーンビーズ」の試合を観に行きました。ホームチームの攻撃の時は場内に激しい音楽が鳴り響き、入場時にもらえるハリセンを叩きながら応援します。サッカーと違い、点が次々決まって盛り上がる回数が多いこと、応援アイテムを持っていなくてもハリセンがあれば溶け込めることも特長です。クィーンビーズの試合を観戦したことにより、バスケの楽しさを知ると同時に、サッカーの楽しさも再認識できました。点がたくさん決まって何回も盛り上がれるバスケ、1点の喜びが爆発的なサッカー。どちらが良い・悪いではなく、それぞれに楽しさがあってスポーツ観戦の良さを改めて実感できます。

 今は現地観戦することは難しいかもしれませんが、DAZNなどで試合中継を見られるので、それを活用してみてください。(※「山梨クィーンビーズ」の試合は「W-TV」で配信しています。

  もう1つの意味は、スタジアムでサッカーの試合以外の様々なことに目を向けること。コロナ禍でマスコットとふれあうこともできず、イベントも軒並み中止でなかなか試合以外の楽しみを見つけることは難しいかもしれません。しかし、たとえばスタジアムから見られる景色など写真撮影に力を入れてみるとか、スタジアムグルメを堪能するとか、今だからこそできることはたくさんあります。

 私は山梨中銀スタジアムを背景に、持参したフォーレちゃん仕様のぬいぐるみの撮影をしてみました。

 これが今まで通りの開催だったら人目が気になってとても撮れませんでしたが、幸い人が少なかったので撮れました。

 今までホームスタジアムとはいえじっくり眺めることはなかったのですが、「甲斐の山々が綺麗だな~」とか「のどかで良いな~」と小瀬の良さを再認識できましたよ。スタジアム内で流れているBGMに耳を傾けるのも良いですね。

 ぜひ試合以外の楽しみも見つけてみてください。サッカー観戦の新たな魅力を再発見できるかもしれませんよ。

 

 以上、今シーズンをより楽しむための3つの視点を紹介しました。

 特に道具が必要な訳ではなく意識や行動を変えるだけなので、騙されたと思ってやってみてください。

 

 

◆今週のナンバー

 そろそろお別れの時間が近づいてきました。

 といっても私はこれからもJサポライター部で執筆を続けるので、また記事を投稿した際にはよろしくお願いします。

 最終回のナンバーに選んだのはTwo Steps From Hellの「Norwegian Pirate」です。甲府の2020シーズン選手紹介BGMであり、清水エスパルスでも使用されているようです。これから戦いに赴く勇ましさを存分に感じられる一曲です。

 最後に、ゲストとして出演してくださったR’さん、kuroさん、ハルサメさん、くわめさん、ラジオで取り上げてくださった須田康裕さん、岸則子さん、FM甲府の皆さん、そしてお読みいただいたすべての皆さん、本当にありがとうございました!

 2021シーズン、楽しんでいきましょう!

Writer:リセル

ヴァンフォーレ甲府とミサンガ作りと文章を書くことが好きな自由人。「Jサポライター部」、Jリーグのハンドメイド作品が集まるサイト「Jサポハンドメイド部」、両サイトの管理人をやっています。まだまだJサポ歴が浅いので、Jリーグのことをもっと知りたいです。