コロナ禍のJリーグを全力で楽しんでみた

2020/09/24 Writer:リセル

 Jリーグが再開し、シーズンは折り返し地点に来た。

 怒涛の過密日程で目まぐるしく展開していくJリーグだが、観戦時はチャントを歌うことが出来ず、アウェイゲームにも行けず、寂しい気持ちも正直ある。

 しかし、せっかくならこのコロナ禍のJリーグを楽しもうと思い、筆者は様々なことをやってみた。今だからこそ楽しめることもいくつかあったので、紹介していきたい。

 

 

◆隣の席の人と話をする

 ヴァンフォーレ甲府のホームゲームは今のところ全席指定席である。座席指定をしない限り、ランダムで座る席が決まる。しかも座席移動が出来ないので、誰が隣に来るかは分からない。

 なので、せっかくなら隣(正確には2つ席を空けて隣)の人に話しかけてみようと筆者は考えた。もちろん話しかける人は選ぶ。試合中ヤジを飛ばすような人、選手を貶す人には話しかけない。

 試合前、まず筆者が話しかけたのは明るく気さくな女性。「暑いですね~」から始まり、応援している選手のことや今のチーム状況など話が弾んだ。その日は大宮アルディージャ戦だったので、女性の方から「オレンジを食べて大宮に勝とうね!」と、山梨県市川三郷町特産の「大塚にんじん」を使ったオレンジ色の羊羹をおすそ分けしてくれた。私からはちょうど持っていた手作りの水引ブローチをお礼として渡した。

 その次のホームゲームでは、甲府に今季加入した藤田優人選手を応援している女性に話しかけた。藤田選手の横断幕を設置していたので「まさとさんを応援しているんですか?」と声をかけたところ「そうなんです~!」と楽しそうに藤田選手の話をしてくれた。甲府が出しているガチャガチャグッズから、私の推し選手の背番号アイテムをいただき、後日再び会った時に私の方から藤田選手の背番号アイテムをお礼として渡した。

 「応援しているチームが同じ」という共通項があるので、初対面の人とでも会話が弾む。味方のゴールが決まった時は、隣なので肘タッチで一緒に喜ぶことも出来る。

 筆者の場合、話しかけたお二方から色々いただいてしまったため、小分けのお菓子を持参しておくとその場でお礼が出来るので安心だ。

 何より知り合いが増えて楽しいので、ぜひ勇気を出して隣の人に声をかけてみてほしい。

 

 

◆スタグルを堪能する

 通常開催時には混んでいて食べられない時もあるスタグルも、空いている今なら思う存分堪能できる。

 筆者は無性にクレープが食べたくなったので「クレープくれよん」のハムツナ野菜クレープを購入した。たっぷりレタスにハムとツナの塩味、ちょっと甘めのクレープ生地がマッチしてとても美味しかった。他に生クリームのクレープもあり、これでもか!というくらいクリームがたっぷりなので、小瀬に来た際はぜひ食べてほしい。

 ただ観客席で食べているとたまに思わぬ形でDAZNに抜かれることもあるので、少し注意が必要だ(筆者が映されることは無かったが、クレープをむさぼるように食べる様子がもし映されていたらと思うと冷や汗が出る)。

 

 

◆ゲーフラを掲げる

 人数が少ないからこそ選手の目に留まりやすいゲーフラ。コロナ禍のJリーグでは「振り回さなければOK」ということなので、特に問題は無い。

 勝利した試合の後、ゲーフラ職人のサポ仲間さんが作ってくれた私の推し選手のゲーフラを、筆者はここぞとばかりに掲げた。推し選手の小林岩魚選手はゲーフラに気付いて立ち止まり、お辞儀と拍手をしてくれた。

 ゲーフラを掲げていると大型ビジョンやDAZNに抜かれることも非常に多いので、自慢のゲーフラを見せたい人も今がチャンスだ。

 

 

◆カメラで写真を撮る

 いつもはカメラを使わない人も、立ち応援ができない今こそカメラを使ってみよう。選手やマスコットなど被写体は沢山あるし、上手く撮れると結構楽しい。SNSに載せれば、来場できなかった対戦相手のサポーターから反応が沢山来ることも。

 筆者はユニフォームを着せたテディベアのぬいぐるみを被写体に一枚撮ってみた。いわゆる「ぬい撮り」というもので、スタジアムで撮るには筆者自身かなり勇気が必要だったが、人数が少ないのであまり痛々しい目で見られることは無かった。

タイトル:ゲーフラを掲げようとするくま

 

 テディベアでなくとも、各クラブ公式グッズとして売り出されているマスコットのぬいぐるみでも良い。立ち応援が無い分じっくりと構図や被写体を吟味できるので、フォトジェニックな写真が撮れることだろう。

 

 

◆試合中のピッチ内の声を楽しむ

 リモート応援システムがあっても音量は生の声援には劣るので、ピッチ内の声がよく聞こえる。選手に指示を出す監督の声、選手間でのやり取り、DAZN観戦時は審判の声も聞くことが出来る。

 試合中のピッチ内でのリアルな声は、インタビュー等での穏やかな雰囲気とはまるで別物。自分や周りを鼓舞する大声や、時に怒号も響き渡る。闘争心むき出しの選手達の様子がありありと伝わってきて、ピッチ外とのギャップもまた楽しい。また、審判の声は「選手とはこんな感じでコミュニケーションを取っているんだ」という新たな発見となることも。今しか聞けないピッチ内のリアルを楽しみたい。

 

 

◆最後に

 もちろん今まで通り観戦出来るに越したことはないが、コロナ禍の今だからこそ楽しめることも沢山ある。今まで気付けなかったことにも気付けるチャンスだし、これから今までの平穏なJリーグが戻ってきたら、よりJリーグを楽しめるきっかけになるかもしれない。

 今しか無いJリーグを楽しんでみよう。

Writer:リセル

ヴァンフォーレ甲府とミサンガ作りと文章を書くことが好きな自由人。「Jサポライター部」、Jリーグのハンドメイド作品が集まるサイト「Jサポハンドメイド部」、両サイトの管理人をやっています。まだまだJサポ歴が浅いので、Jリーグのことをもっと知りたいです。